マッサージと医学


ガン×リンパドレナージ神話 - アントニオ・ルイス・デ・ヴァスコンセロス・マセド 先生


マッサージと医学レナータ・フランサ

著名人から最も望まれているマッサージの開発者であるレナータ・フランサのインタビューで、医師が専門的視点から、マッサージが健康にもたらすメリットを語る

アントニオ・ルイス・デ・ヴァスコンセロス・マセド先生

ロボット支援手術・腫瘍学手術・腹腔鏡手術の技術を駆使する一般外科および消化器外科専門医。

レナータ・フランサ(以下:レ):マセド先生は、この国のロボット支援手術の先駆者ということで宜しいでしょうか。

アントニオ・ルイス・マセド(以下:マ):実を言うと、ラテンアメリカで初めてロボット支援手術による消化器の手術を行ったのは、私です。

レ:ロボット支援はどのような手術が対象なのか教えてください。

ア:私は最近、とある患者を手術したのですが、その方は数ヶ月前に腸癌手術を受け、肝臓にも腫瘍がありました。ロボットで肝臓の腫瘍全体を取り除き、血管を接続して、安全域を破ることなく、完全に取り除くことに成功しました。もし開腹手術だった場合、患者の腹全体を開かなければなりませんでした。

レ:マセド先生は少し前に、現大統領のことも治療されましたね。その場合、やはり大きなプレッシャーを感じるのでしょうか。

ア:もし、プレッシャーを感じるようなら、対処できなかったことでしょう。大統領だからこそ、プレッシャーに押しつぶされることなく、自分の感情を安定させ、最善を尽くす必要がありました。

レ:術後にリンパ浮腫を発症した患者の場合、リンパドレナージをすすめますか。

ア:はい。私のすべての患者は例外なく、全員リンパドレナージを行います。浮腫をより早く取り除くことができるので、素晴らしいと思います。通常、腹と脚がわずかに腫れるので、リンパドレナージは大いに役立ちます。

レ:リンパドレナージが癌を引き起こすという流説があります。

ア:そんなことはない!癌を引き起こすのは砂糖、小麦粉、牛脂の過剰摂取などです。私は12~14時間に及ぶ手術の後は足が腫れますが、リンパドレナージを行うことで、翌日にはすっかり元気です。自分の患者にすすめない理由がありません。生活の質を向上させることができると思っています。

レ:どのようなケースにリンパドレナージをすすめますか。

ア:ICUから退院し、むくみがひどい患者にすすめています。

レ:リンパドレナージを行ってはいけないケースはありますか。

ア:深刻な血管の問題がある場合は、注意が必要です。血管塞栓を引き起こさないよう、静脈閉塞のある患者も同様です。腹部手術を受けて日が浅く、抜糸していない患者は、手足、胸、背中のみ可能です。手術して間もない、切開した腹部にリンパドレナージを施すのは本当に危険な行為です。ですが、行ってはいけない場合というのはほとんどありません。