マッサージと医学


リンパドレナージと 術 後 - ジョゼ・ヨシカズ・タリキ 先 生


マッサージと医学レナータ・フランサ

著名人から最も望まれているマッサージの開発者であるレナータ・フランサのインタビューで、医師が専門的視点から、マッサージが健康にもたらすメリットを語る

ジョゼ・ヨシカズ・タリキ先生

サンパウロ大学(USP)卒業。クリニカス病院の形成外科医。

レナータ・フランサ(以下:レ):日本で微小外科を勉強した経験は、仕事にどのような良い影響をもたらしましたか。

ジョゼ・ヨシカズ・タリキ先生(以下:ジ):日本では外科技術の貴重な経験をさせていただきました。また、修復手術の重要性についても深く考えさせられる、よい機会となりました。

レ:2018年には、ブラジルで170万件の手術が行われ、その内の60%は美容目的でした。ブラジルはこのような手術のトップに躍り出ているのでしょうか。

ジ:間違いなく、ブラジルの美容整形手術は優れていますし、世界の専門家達にも認められています。ブラジル形成外科学会の規模は、米国に次いで世界2位です。また、形成手術の件数も世界2位となっています。

レ:タリキ先生のクリニックで行う主な手術を教えてください。

ジ:主に、乳房縮小術、豊胸術、癌による乳房再建、さらにはタミータック、脂肪吸引、まぶたや鼻など顔の手術です。

レ:術後のリンパドレナージについてどう思われますか。

ジ:浮腫、腫れ、線維症の減少に働きかけ、より良く、速い回復を可能にするので、優れた術後処置だと思います。とくに、線維症の場合、マッサージは病気の解消を促進するための優れた選択肢だと言えるでしょう。

レ:マッサージはどういったケースに重要となるのでしょうか。

ジ:脂肪吸引では、うねりや線維症に発展する可能性のある凹凸を軽減します。顔面の手術の場合、首に軽いマッサージを施すことで皮膚の収縮や癒着を防ぐことができます。

レ:手術後、いつごろからマッサージをすれば良いのでしょうか。

ジ:手術後2~3週間目からですが、患者が痛みを感じる可能性を常に考慮しなければなりません。初めのうちは優しく、マッサージを施す位置に応じて徐々に力を入れていくと良いでしょう。

レ:患者がマッサージを受けられないのは、どのようなケースでしょうか。

ジ:乳房、腹部、顔面中央部の手術など、縫合されている場合です。シリコンプロテーゼを使用した手術については、一部の外科医は推奨していますが、私はあまりおすすめしません。

レ:レ:普段、患者にリンパドレナージをおすすめされますか。

ジ:顔や首、腹部付近と脂肪吸引を行なった患者にはリンパドレナージをすすめています。そして、マッサージをすすめているのは脂肪吸引を行なったの患者と、首や腹部の瘢痕付近です。