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マッサージと医学
Massage x Vascular Problems
ジウベルト・ナルシ・ハバイエ(Gilberto Narchi Rabahie)先生。血管および血管内手術の専門医。コラソン病院 Hospital do Coração(HCor)の医師。
ジウベルト先生、症例数の最も多い血管疾患を教えてください。
最も頻繁なのは静脈疾患です。ブラジル人の約37%は、さまざまな程度の下肢静脈瘤(下肢の表在静脈の拡張)を患っています。深部静脈血栓症は、脚または太ももの筋肉の静脈に血栓が形成される病気です。年間約18万件の新規症例があると考えられており、ごく軽度の患者は無症状の場合があります。広範囲の静脈血栓症の場合、血餅の剥離や肺塞栓症につながるため、死に至ることがあります。
遺伝的要素はあるのでしょうか。詳しく教えてください。
静脈瘤と血栓症は遺伝性の可能性があります。動脈瘤(重度の出血を引き起こす可能性のある動脈の拡張)やアテローム性動脈硬化症(血管閉塞を引き起こす動脈のプラーク)などの動脈疾患の他にも、食生活や喫煙などが関連している場合もあります。
血管疾患の予防は可能でしょうか。その場合、どうすれば良いのか教えてください。
はい、可能です。運動不足、喫煙、肥満、高血圧、糖尿病、遺伝性または後天性高コレステロール血症などの危険因子を持つ人は危険性が高いとされています。これらが心血管疾患の誘発に強く関連していることから、危険因子を減らすよう努めることが大切です。
血管に問題のある患者さんのリンパドレナージについて意見をお聞かせください。
リンパドレナージは適切な指示に基づいて行われる場合にのみ有効です。すべての血管の病気に当てはまるわけではありません。ドレナージは、常に快適なマッサージとは違い、資格のある専門家が行う必要があります。
静脈瘤を患っている人のドレナージは可能でしょうか。
はい、大丈夫です。ドレナージは治療に不可欠ではありませんが、静脈瘤による制限はありません。
浮腫やリンパ浮腫の患者にとって、ドレナージの重要性は何でしょうか。
リンパ浮腫では非常に重要ですが、必ず資格のある専門家が行う必要があります。ドレナージは、経口薬、抗生物質や弾性ストッキングの使用などを含む、浮腫を改善するための一連の措置のひとつとなっています。
どのような術後症例に対してドレナージをすすめますか。
一過性のリンパ系変化を引き起こす可能性のある手術の種類によっては、すすめる場合があります。
手術直後にすすめることはありますか。
一部の形成外科手術は一過性の浮腫を引き起こしますが、これはドレナージによって最小限に抑えることができるため、すすめられます。静脈瘤手術の場合、普通はおすすめしませんが、術後期間に下肢の浮腫がみられるときには効果的だと考えられます。
おすすめできない場合はありますか。
静脈血栓症、とくに深部静脈血栓症の場合はおすすめできません。重症患者や原因不明の浮腫の場合は行われるべきではありません。ドレナージは必ず医者からの指示の元、訓練を受けた理学療法士によって行われます。